
新NISAで資産運用をするのがいいらしい。新NISAって何が良いんだろう?
今回は簿記2級の資格を持ち、元経理でお金のメディアを発信するインフルエンサーのWebライターをしている私が、2024年1月からスタートした『新NISA制度』について解説します。



新NISAはマジで神制度です…っ!!
新NISAを上手に活用した場合のシミュレーションは以下の通りです。
シミュレーション内容
- 毎月の積立金額:5万円
- 想定利回り(年率):5%
- 積立期間:30年
- 30年目の元本:1,800万円
- 30年目運用収益:2,361.3万円


35歳から定年まで毎月コツコツと想定利回り5%の商品に5万円ずつを投資すれば、30年後には資産は4,000万円を超えています。
新NISAではこの2,361.3万円の運用収益がそのまま手に入れることが可能です。
この記事では、この魅力がたっぷりある新NISAについて、また効率よく投資する方法についてご紹介します。
これから資産運用をして将来に備えたいという方は、ぜひ最後までご覧ください。


新NISAとは?旧NISAから非課税投資枠の大幅拡大と制度の恒久化


それではまず、新NISAについてかんたんに解説します。
新NISAとは、少額からの投資を行う方のための非課税制度です。
本来投資で発生した利益に対して、約20%程度の税金を支払わなければなりません。
例えば、100万円の利益を出したとすると、約20万円を国に納めるという計算です。
しかし、新NISA制度を利用して得た利益の場合だと、非課税となり利益の100万円をそのまま受け取ることができます。
新NISAは、旧NISAから非課税投資枠の大幅拡大と制度の恒久化により、より安定的な資産形成をサポートしてくれます。
利用できる人 | 日本に住んでいる18歳以上の方 |
---|---|
非課税対象 | 株式・投資信託等への投資から得られる配当金・分配金や譲渡益 |
口座開設可能数 | 1人1口座 |
非課税保有限度額 | 1,800万円(内、成長投資枠1,200万円) |
非課税保有期間 | 無期限 |
投資可能期間 | 恒久 |
新NISAの特徴は?旧NISAとの変更点を4つ紹介


新NISAはこれまでのNISAと同様、少額から投資を行う人のための非課税制度。
まずは新NISAの変更点として、以下の4つをご紹介します。
- 旧制度と併用できる
- 投資可能期間がなくなった
- 年間の投資枠が大幅に拡大
- 非課税限度額が再利用可能に
旧制度と併用できる
新NISAがスタートしたからといって、これまでのNISAの非課税期間が直ちに終了するわけではありません。
2023年までに旧NISAで投資された金融商品は、旧制度の非課税措置の下で引き続き保有可能です。
金融庁のHPによると、以下の内容が書かれています。
2023年末までに現行の一般NISA及びつみたてNISA制度において投資した商品は、新しい制度の外枠で、現行制度における非課税措置を適用
金融庁「新しいNISA」
たとえば、2023年に一般NISAを利用して行われた投資は2028年まで、つみたてNISAを利用した投資は2043年まで非課税が継続されます。
このように、旧制度と新NISAの非課税期間は独立しており、互いに併用することが可能です。新NISAの登場に伴い、既存の投資を急いで手放す必要はありません。
ただし、新NISAでは、非課税期間終了後の金融商品の「ロールオーバー」、つまり非課税枠の更新移管は設けられていません。
ロールオーバーとは、非課税期間が終わった後に、その金融商品を次年度の新しい非課税枠へと移す手続きのことです。


出展:金融庁「一般NISAのポイント」
特に、2019年から2023年の間に一般NISAで投資した商品については、ロールオーバーによる移管先がなくなるため、売却するか、課税対象の口座(特定口座や一般口座)へ移すかを検討しておきましょう。
投資可能期間がなくなった
新NISA制度の大きな特徴は、口座開設期間と非課税期間の恒久化です。
これまでのNISA制度では、一般NISAは2014年から2023年まで、つみたてNISAは2018年から2042年までの期間限定で提供されていました。
しかし、新NISAではこれらのような期間の制限はありません。
つまり、長期的な運用が可能な新NISAでは、複利効果の最大化と安定を期待できます。
なぜなら、非課税期間の無期限化により、投資者は時間を味方につけることができ、複利の力を最大限に活かすことが可能だからです。
さらに、過去から現在にかけての株式市場の全体的な動きを見てみると、成長していることがよくわかります。


このように、将来成長する金融商品に投資するなら、より早く、そして長く運用した方が有利です。
もちろん、このように株価が上がり続ける保証はありません。
しかし、アメリカの株式投資においては、投資期間が長ければ長いほど年平均リターンはプラスで終わることがわかっています。


出典:ウォール街のランダム・ウォーカー



つまり、長期投資は安定した資産形成を期待できるということです。
年間の投資枠が大幅に拡大
新NISA制度の導入により、投資枠が大きく変わりました。
具体的には、「成長投資枠」と「つみたて投資枠」のふたつの新しいカテゴリが追加され、これにより年間の投資上限額が大幅に拡大。
旧NISAと比べると以下の通りです。
年間投資枠 | |
---|---|
一般NISA | 120万円 |
つみたてNISA | 40万円 |
新NISA(成長投資枠) | 240万円 |
新NISA(つみたて投資枠) | 120万円 |



新NISAでは成長投資枠とつみたて投資枠を併用して、年間最大360万円まで投資できます。
新NISAの設立により、自分の財政状況やリスク許容度に応じて、投資のペースを自由に調整することができるようになりました。
余裕資金がある人は非課税の恩恵を最大限に享受するために上限までの投資が可能ですし、リスクを抑えたい人は少額から徐々に投資を増やしていくこともできます。
非課税限度額が再利用可能に
新NISAでは非課税限度額を再利用することができます。
非課税限度額とは、取得価格ベースで計算されます。
例えば、1,800万円の非課税枠内で100万円分の投資信託を購入し、その価値が300万円に増加した場合でも、利用可能な非課税枠は1,700万円となります。
もしこの投資した100万円分の投資信託を売却した場合、これまでのNISAでは残り1,700万円の非課税限度額でやりくりしないといけませんでした。
しかし新NISAでは、非課税枠内で購入した金融商品を売却すると、その使用していた額だけ非課税限度額が復活します。
具体的には次の通りです。
- 投資信託Aに100万円を投資
- 残投資限度額は、1,800万円 - 100万円 = 1,700万円
- 投資信託Aの値が300万円になり売却(※200万円の利益は非課税)
- 売却した翌年、残投資限度額が1,800万円に復活
この再利用性により、投資者は現金が急に必要になった場合でも、非課税枠を失うことなく対応できるようになります。
さらに、利益を非課税で得た後、翌年に再度非課税枠を利用して投資することが可能です。



私のように20~30代で子どもがいる世帯などにとっては、マイホーム、マイカーなど、急にまとまったお金が必要になるシーンも多いのでありがたい変更点です。
新NISAを賢く活用する方法3選


最後に新NISAを賢く活用する方法を3つご紹介します。
- 可能な限り限度枠いっぱいに使う
- 「つみたて投資枠」も「成長投資枠」も同じ商品に投資する
- ポイント還元率の高いお得な証券会社で新NISAを始める



どれかひとつではなく、可能な限り複数実践していきましょう。
可能な限り限度枠いっぱいに使う
新NISAでは運用益が非課税になるので、できる限り枠は余すことなく使えるように工夫しましょう。
例えば、お金に余裕がある方だと、年間の上限いっぱいの360万円を1月頭に投資しています。
これは複利効果を最大限に狙っているからです。
さすがに年間360万円投資できる方は少ないと思いますが、長期間にわたって1,800万円の限度枠に達するようにコツコツと投資を続けていきましょう。



コツコツ投資が将来の保有資産に大きく影響してきます。
「つみたて投資枠」も「成長投資枠」も同じ商品に投資する
私個人の意見としては、つみたて投資枠と成長投資枠と同じ商品に投資すればいいと考えています。
なぜなら、低コストで高リターンを期待でき、ひとつで世界中の株式に分散投資ができる商品があるからです。
わざわざ成長投資枠に特別な判断基準を設定して、様々な株を買う必要はありません。
そもそもつみたて投資枠の商品は、国が定めた厳しい条件をクリアした「長期投資に適している投資信託」が対象となっています。



基本的にはかなり信頼できる商品ということですね。
そして私のイチ押しは「eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)」です。
理由は前例があるから。
eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)は全世界の株式に分散投資ができる投資信託です。
新NISAの対象ではありませんが、同じく全世界の株式に分散投資する「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス (ACWI)」(世界の先進国23カ国の株式市場に上場する銘柄の株価を数値化したもの)の平均リターンは次の通りでした。
年率平均 | リターン(%) |
---|---|
10年 | +13.2% |
15年 | +15.3% |
20年 | +9.9% |
30年 | +8.7% |
もちろん、この間はリーマンショックやコロナショックが含まれています。
それでも全世界株式への長期投資で高い利回りが出ているのがわかります。



改めて冒頭のグラフを見直してみましょう。
シミュレーション内容
- 毎月の積立金額:5万円
- 想定利回り(年率):5%
- 積立期間:30年
- 30年目の元本:1,800万円
- 30年目運用収益:2,361.3万円


こちらは利回りを5%で計算しています。
30年投資すれば、上記のグラフ以上の結果を出すことが期待できるのではないでしょうか。
また、「eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)」は、女性セブンが独自に集計したところ、9人のお金のプロから「いま、高く評価できる商品」としてランキングで1位を獲得しています。


出典:マネーポストWEB
つまり、「eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)」はプロのお墨付きである優秀な投資信託だということです。
ポイント還元率の高いお得な証券会社で新NISAを始める
証券会社選びも忘れてはいけません。
NISAは制度上、専用口座を1人にひとつしか持つことができず、年に1度しか証券会社を変更できません。
そのため、慎重に証券会社を選ぶ必要があります。



そして、せっかく投資をするなら効率よくお得に投資をしたいですよね。
証券会社によっては、投資することでポイントを獲得できるサービスがあります。
例えば、以下の4社。
SBI証券 | 楽天証券 | マネックス証券 | tsumiki証券 | |
---|---|---|---|---|
クレカ積立 ポイント還元率 | 0.5~5.0% | 0.5~1.0% | 1.1% | 0.1~0.5% |
クレジットカード | 三井住友カード | 楽天カード | マネックスカード | エポスカード |



少しでもポイント還元率の高い証券会社で投資したいですよね。
新NISAの1,800万円分を投資したとすると、その1%が還元されれば18万円なのでかなり大きいです。
NISAにおける証券会社選びは次の3つ基準にしてください。
- 投資したい商品があるか
- 開設手数料が安いか(0円か)
- 高いポイント還元があるか
ぜひ自分に合ったネット証券を見つけて、上手に資産形成を進めていきましょう。
まとめ:新NISAを理解して上手に活用しよう


今回は新NISAの特徴や賢く活用する方法について解説しました。
新NISAの特徴は次の通りです。
- 旧制度と併用可能
- 非課税保有期間の無期限化
- 口座開設期間の恒久化
- つみたて投資枠と、成長投資枠の併用が可能
- 年間投資枠の拡大
- 非課税保有限度額が全体で1,800万円に拡大


出典:金融庁
そして、新NISAを賢く活用する方法は以下の通りです。
- 可能な限り限度枠いっぱいに使う
- 「つみたて投資枠」も「成長投資枠」と同じ商品に投資する
- ポイント還元率の高いお得な証券会社で新NISAを始める
新NISAは以前のNISAのデメリットを克服した神制度です。
上がらない賃金、上がり続ける税金や社会保険料で不安な老後を過ごさないためにも、今から新NISAを利用して資産形成を始めましょう。
なお私がおすすめしている証券会社は以下の通りです。
証券会社 | ![]() ![]() SBI証券 | ![]() ![]() マネックス証券 | ![]() ![]() 楽天証券 |
---|---|---|---|
投資信託数 (つみたて投資枠) | 224本 | 219本 | 222本 |
投資信託数 (成長投資枠) | 1190本 | 1128本 | 1145本 |
連携クレジットカード | 三井住友カード | マネックスカード | 楽天カード |
ポイント還元率 | 0.5~5% | 1.1~2.2% | 05.~1.0% |
取得ポイント | Vポイント | マネックスポイント | 楽天ポイント |
提携銀行サービス | 住信SBIネット銀行 | なし | 楽天銀行 |
ポイント活用法 | ・投資 ・クレカ支払いに充当 ・ANAマイルに交換 ・他社ポイントに交換 nanaco 楽天ポイント T-POINT Amazonギフト券 スターバックスカード など | ・投資 ・仮想通貨と交換 ・ANAマイルに交換 ・JALマイルに交換 ・他社ポイントに交換 dポイント T-POINT Ponta nanaco WAON | ・投資 ・楽天サービスの支払い ・Edyへのチャージ ・ANAマイルに交換 |
その他の特徴 | 三井住友カードゴールド(NL)で年間100万円投信積立すると、ポイント還元率1.0%+1万円相当のポイントをゲット | マネックスカードは年に1回の利用で、年会費無料 | 楽天銀行と連携し、条件を満たすことで最大SPU+1倍の特典 |
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最後までお読みいただきありがとうございました^^