
不動産クラウドファンディングをやってみたいけど確定申告って面倒くさくないの?
今回は宅建の試験に1発合格し、金融系メディアのライターであるわたしが、不動産クラウドファンディングの確定申告について解説します。
不動産クラウドファンディングの分配金は、投資形態によって税務上の取り扱いが異なります。
少しややこしいのですが、できる限りわかりやすく解説するので、正しく理解して、適切な確定申告をするようにしましょう。



もしかしたら納めた税金が返ってくるかもしれません!


不動産クラウドファンディングの所得


それでは不動産クラウドファンディングの所得が何にあたるのか、チェックしていきましょう。
匿名組合型の分配金は『雑所得』
匿名組合型の分配金は、税務上「雑所得」として扱われます。



ほとんどの不動産クラウドファンディングは匿名組合型です。


所得税法第35条において雑所得は、給与所得や不動産所得など他の9種類の所得に該当しないものと定義されています。
例えば、1万円を匿名組合型のファンドに投資し、1年で1,200円の分配金を得た場合、この1,200円が雑所得として課税対象です。
確定申告の際は、匿名組合型の分配金は雑所得として書くようにしましょう。
任意組合型の分配金は『不動産所得』
任意組合型の分配金は、税務上「不動産所得」に区分されます。
アパートやマンションの賃貸収入と同様の所得区分となるため、他の不動産収入との損益通算が可能です。



ちなみに、COZUCHIの中長期運用型は任意組合型です。


例えば、任意組合型のファンドで10万円を出資し、年間12,000円の賃料収入を得た場合、この12,000円が不動産所得になります。
確定申告時には、得た分配金は不動産所得専用の欄に書くようにしましょう。
任意組合型の償還損益は『譲渡所得』
任意組合型の不動産クラウドファンディングで償還時に得られる損益は「譲渡所得」に分類されます。
任意組合型は償還のタイミングで売却されることがあります。
そのため、不動産売却時に出た利益は譲渡所得になり、譲渡所得税を支払う必要があります。
例えば、任意組合型ファンドに20万円を出資し、償還時に22万円を受け取った場合、2万円が譲渡所得です。
譲渡所得の確定申告では、所有期間に応じて短期・長期の区分を行い、適切な税率を適用します。
- 長期譲渡所得:譲渡した年の1月1日において所有期間が5年超
- 短期譲渡所得:譲渡した年の1月1日において所有期間が5年以下
所得の区分 | 長期譲渡所得 | 短期譲渡所得 |
---|---|---|
所有期間 | 5年超 | 5年以下 |
税率※ | 20.315% 所得税:15.315% 住民税:5% | 39.63% 所得税:30.63% 住民税:9% |
「ややこしい!」と思っても心配しなくても大丈夫です。
確定申告をするには国税庁の確定申告等作成コーナーがわかりやすいですし、その時期になれば地域で税理士との無料相談会もあります。



わたしも利用したことがありますが、親切に相談に乗ってくれますよ。
不動産クラウドファンディングで確定申告が必要なケース


確定申告が必要かそうでないかは、投資収入の金額や他の所得状況によって判断します。
もし申告漏れが発生すると、ペナルティを食らうので必ずチェックしておきましょう。
雑所得が20万円を超える場合
雑所得が年間20万円を超えた場合、確定申告が必要です。
この雑所得に当たる収入は様々なモノがあり、それを合算した金額で判断します。
雑所得となる収入
- 国民年金、厚生年金保険、公務員等の共済組合法による年金
- FX(外国為替証拠金取引)での利益
- 仮想通貨(暗号資産)取引での利益 など
これらと不動産クラウドファンディングでの利益から算出された雑所得の合計が20万円を超えた場合、必ず確定申告を行う必要があります。
収入の記録をきちんと管理しておきましょう。
元々確定申告が必要な場合(年収2,000万円超の会社員など)
当たり前ですが、給与所得が2,000万円を超える場合や、他の理由で確定申告が必要な方は、分配金も合わせて申告が必要です。
該当するケース
- 年収2,000万円を超える会社員
- 個人事業主として確定申告している方
- 医療費控除などで確定申告する方
- 不動産所得がある方
- ふるさと納税でワンストップ特例制度をし忘れた方
元々確定申告が必要な場合、不動産クラウドファンディングの利益も漏れなく申告するようにしましょう。
不動産クラウドファンディングで確定申告するメリット


確定申告はめんどうなことも多いですが、やるだけメリットがあることも少なくありません。
確定申告することで得られる恩恵についてご紹介します。
税金の還付を受けられる可能性がある
給与所得の課税所得金額が695万円未満の場合、確定申告により税金の還付を受けられる可能性があります。
なぜなら、695万円未満の所得税率は20%以下であり、源泉徴収の際に税金を払い過ぎているからです。



課税所得が695万円以下なので、それ以上に稼いでいる人でも住宅ローン控除や医療費控除を利用している人は還付の可能性があります。
給与所得が300万円、雑所得が20万円の場合は約2万円ほどのお金が返ってくるわけです。
還付を受けれるか、自分の所得をしっかり把握しておきましょう。
他の投資商品との損益通算の可能性がある
不動産クラウドファンディングの一部の損益を他の投資商品と通算することできます。
損益通算とは、利益と損失を相殺することで課税所得を減らし、最終的な税負担を軽減する仕組み。
不動産クラウドファンディングの収益が任意組合型であれば、不動産所得は他の不動産所得の、譲渡所得は他の譲渡所得の損失と通算が可能です。
例えば、不動産クラウドファンディングで10万円の利益を得つつ、所有するマンションの修繕費で15万円の損失が発生した場合、通算後の課税所得は0円になります。



ちなみに、雑所得は赤字になっても「0とみなす」という規定があるため、損益通算ができません。
投資全体の税負担を抑えることができるので、任意組合型で不動産クラウドファンディングをやっている人は、損益通算できないかチェックしましょう。
不動産クラウドファンディングの確定申告の書き方


それでは、不動産クラウドファンディングの確定申告の書き方について解説します。
手順通りに進めるとスムーズなので、ぜひチェックしてください。
また、確定申告は国税庁のe-Taxシステムを利用することで、オンラインでの申告が可能です。



家にいながらサクッと申告できるので、e-Taxがおすすめですよ。
STEP1:所得額の確認と必要書類の準備
不動産クラウドファンディングの年間分配金の合計額を確認し、必要書類を準備します。
必要書類の不備があると申告手続きが遅れる可能性があるため、事前準備が重要です。
確定申告に必要な書類は以下の通りです。
- 運営会社からの支払調書・取引明細書
- 源泉徴収票(給与所得者の場合)
- 各種控除証明書
- マイナンバーカードまたは通知カード
1月になったら早めに書類を収集し、不足がないか確認しましょう。
STEP2:確定申告書の作成方法
国税庁のe-Taxページを開きましょう。
利用者情報を登録、指示に従って各金額を入力し、確定申告書を作成します。
STEP3:税務署への提出と納付・還付
作成した確定申告書は、e-Taxでの電子提出か税務署への持参で提出します。



電子提出だと自宅でできるのですごく便利ですよ。
また、もし数字をまちがえていても期限内なら確定申告書の修正を上書きできますし、還付までがスピーディーです。
確定申告書の提出期限は、毎年3月15日までなので、余裕を持って提出するようにしましょう。
確定申告における注意点と対策


確定申告では、期限の遵守と正確な申告が重要です。
もし申告が漏れた場合や、会社への報告をすべきなのかについてわかりやすく解説します。
申告漏れによるペナルティ
もし確定申告をしなければいけないのにしていない場合、追徴課税に加えて延滞税や加算税が課されます。



わざとじゃない申告漏れでも、ペナルティの対象です。
国税通則法により、本来納めるべき税額に加えて、加算税(最大35%)や延滞税が発生します。
ペナルティの具体例
- 追加で200万円の徴収を受けた場合25万円の過少申告加算税
- 延滞税は年利2.4%〜8.8%
- 反面調査により取引先にも影響が及ぶ可能性
申告漏れは重大なペナルティを招く可能性があります。
日頃から収支記録を適切に管理し、正確な申告を心がけましょう。
確定申告の期限と早めの準備
確定申告の期限は原則として毎年2月16日から3月15日までです。
しかし期限間際は税務署が混雑するため、早めの準備と申告をおすすめします。
混雑して期限を超えてしまうと、延滞税や申告漏れになってしまうので注意しましょう。



わたしは1月から確定申告の準備を始めて、2月中には申告が終わっているようにしています。
会社への報告義務について
不動産クラウドファンディング投資は資産運用なので、副業にはあたりません。
そのため、副業禁止の会社であっても不動産クラウドファンディングをすることが可能です。
そして、利益が出て確定申告をした場合でも、会社への報告義務はありません。



そもそも確定申告自体を会社に報告する義務がないわけです。
ただし、確定申告で利益に係る住民税が給与天引き(特別徴収)にした場合、給与計算をしている経理を困らせてしまいます。
確定申告時は住民税の納付を『自分で納付(普通徴収)』にするようにしましょう。
おすすめの不動産クラウドファンディング3社


不動産クラウドファンディングの運営会社は数多く存在します。
その中でも、金融庁の登録がしてあり、かつ元本割れ0件の実績と信頼性で選りすぐった3社をご紹介します。
COZUCHI(コヅチ)


COZUCHIは、私の中ではイチ押しの不動産クラウドファンディングです。
イチ押しな理由は、柔軟な投資スタイルと高い利回りを提供する事業者だからです。
- 短期投資と中・長期投資の案件がある
- 1万円から投資可能
- 平均利回り実績が16.3%



不動産クラウドファンディングの良いところしかないってことです。
デメリットは案件を出せば取り合いになってしまい、投資できない可能性が高いこと。
それだけ多くの投資家に愛されている第一におすすめしたい不動産クラウドファンディングといえます。
\ 最大実績利回り283.5%! /


ヤマワケエステート


ヤマワケエステートは、高利回りを狙える短期運用型の不動産クラウドファンディングです。
例えば、運用期間は約3か月で想定利回りが84.6%のファンドを紹介していました。



結果、実績は想定を超える年利95%になりました。


ヤマワケエステートは社長自身が「利回り8%以下の案件は基本的に出さない」と語っています。
もちろん長期案件もありますが、ここぞと短期で利益を出したい人にとっては、常にチェックすべき不動産クラウドファンディングといえるでしょう。
\ 最大95%の利回り実績 /


CREAL(クリアル)


安定性重視の不動産クラウドファンディングに投資したい人は、CREALがおすすめです。
上場している大手企業の信用力と実績を背景に、安定した運用を実現しています。



2018年のサービス開始以来、元本割れはありません!
平均想定利回りは4.3%で、不動産クラウドファンディングの中では平均的です。
長期的な資産形成に適した安定性の高い投資をしたい人にぴったりの不動産クラウドファンディングといえるでしょう。
\ 安定した運用で元本割れなし /
まとめ:不動産クラウドファンディングの確定申告は意外とかんたん


今回は不動産クラウドファンディングの確定申告について解説しました。
もし不動産クラウドファンディングで20万円以上の利益が出た場合、確定申告をする必要があります。
もししなかった場合、追徴課税としてさらに多くの税金を納めなければいけません。
しかし、確定申告をすることで次のようなメリットもあります。
- 税金の還付を受けられる可能性がある
- 他の投資商品との損益通算の可能性がある
利益が出た際は、自分が該当しないかぜひチェックするようにしましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました^^